本格運用
2006年7月26日
今日もよい天気。早くから展望台にあがる。
昨夜のテスト運用で、気になっていたローテーターの方位調整を 真っ先にやることにする。そして、下から持ってきた炊飯器を、 ここに置いてある発電機につないで炊くことだった。いつも なら手元にある発電機だが、今日からは103段の階段を上がら ねばご飯をいただけない。
テント内の片付けや記録のチェックなど、細かい仕事をやっている うちに炊きあがる。あとは炊飯器をもって降りるだけ。下では みそ汁やおかずをつくりながら、家内が待っている。
430,308で展望台から家内を呼ぶ。
「JO1UAH、ご飯炊けました。これからおります。どうぞ」
「了解、早くおりてきてね」


みごとなロケーション
蒸し暑い午後だった。駐車場よりは展望台の方が風があるだけ 涼感がある。今朝見そこなったNHK の朝ドラをテントの中で 家内が見ている。九州地方も梅雨明けが宣言される。
さぁ、いよいよ真夏の季節がやってくる。午前中の天気が 午後になり北風になるとともに、やや冷たい霧が押し寄せる ように権現山を包みだした。
間食を摂りに下へおりる。そこで、1時間ほど、車の中で 昼寝。しっかりと車のエアコンを効かして。よく眠った。
ちょうど飲料水がなくなったので、江藤さん宅に行く。
家族の皆さんが出てきて、しばらくおしゃべり。美味しい 浄化水を満タンにしていただく。
野菜などの食材を仕入れにスーパーに行ってみる。狭い比田勝 の街だったら、こんな小さなスーパーでも十分間に合うそうだ。

不思議なことに、私たちが滞在している駐車場へは誰もやって 来ない。山へあがる小さな標識からは、あんな素晴らしい 展望台があるなど思わないのかもしれない。
山へ取り付く手前に小さな漁港がある。西泊港だ。小さな漁船の たまり場。道端で座り込んでいた男が通りがかりに急に声を かけてきた。
よく見ると、展望台へ上がる道で草刈り機で作業していた人 だった。なんと彼は、この権現山を含めた周辺の山地の地権者 だという。
「何か困ったことがあったら云っておくれ」
 そんな気さくな言葉が嬉しかった。
 私たちの車を見て、こんなところに何をしにきたのか、と 思ったことだろう。街の許可をいただいて、あの展望台で アマチュア無線の交信をやることを話した。
「そうか。あそこらは全部オラの土地だで心配ないよ」
通信関係の中継タワーが何本かあがっている場所も、各社に 貸しているのだ。伸び盛りの草刈りを街から請け負って、 時たま仕事するとか。
「無線なら、中継器には影響ないのか」
「大丈夫です。私たちの使う周波数は、430メガヘルツの微弱な 電波ですから、ご安心ください」
 携帯電話が使えない地域に中継タワーを投入したいんだが、 一基が二千数百万するので、採算が合わないとか。事実、島内では 携帯電話がまったく不通のところが方々にあって苦情が絶えない ようだ。私たちも野営地によっては「圏外」のサインが出て、 連絡がとれないとクレームをいただいた。

 話は尽きなかったが、お礼を云って山へ戻った。
さぁ、今夜から、いよいよ運用の本番。どうなることだろう。
夕食をすませ、午後7時過ぎにはテントにあがってきた。
発電機のガソリンの点検、アンテナをウインチで所定の高さまで あげる。夕方のそよ風が心地よかった。さきほど短時間だったが まさしく夕立そのもの、凄い降りだった。

 午後7時半過ぎ、JA6ITH 局との交信を皮切りにスケジュールが 始まった。今夜も、岡山のJA4VGM局はじめ各局に助けて頂きながら 久しぶりに遅くまで各局と交信が続く。近くの鳥取、島根、山口、 広島、岡山から応答が続いた。兵庫県、京都府、名古屋、豊橋、 磐田市からも声をかけていただいた。
 そういえば、芦屋のJJ3TXX局、桑田さんが昨晩に続いて出て こられて、みごとに59で交信成立。聞いて頂いて嬉しかった。
 全部で53局との交信成立だった。各局ありがとうございました。
 対馬市での運用は28日までで、翌日には撤収、壱岐島へ移動する ために厳原方面へ向う予定。
 どうか残る時間はわずかですが、よろしくお付き合いください。